日本の相続税は最大55%!相続税がない富裕層に人気の移住先5選

日本の相続税は最大55%!相続税がない富裕層に人気の移住先5選

日本の税金の中でも特に高いのが「相続税」です。相続税 税率は最大55%と世界トップクラスの高さになっているため、相続した財産の半分以上も払うことになります。そのため相続税を払わなくても良い国へ移住するお金持ちが多くなっているのです。そこで今回は、相続税がない富裕層に人気の移住先5選と、相続税 税率などもあわせてご紹介します。

そもそも「相続税」とは

相続税とは、亡くなった人の遺産を相続、あるいは遺言によって譲り受けた方が負担する税金のことです。相続税は遺産の金額と相続人の人数に応じて課税額が変わり、最大で55%の税率となっています。ただし、遺産評価額が基礎控除額(3,000万円+600万円×法定相続人の数)以下の場合は1円も相続税はかかりません。国税庁ホームページの「相続税の申告状況(令和3年度分)」では課税割合が9.3%となっており、相続税が発生しているのは全体の1割未満であることが分かります。そのため遺産を引き継いだ場合でも、必ず相続税を納税する必要があるというわけではありません。

相続税 税率と控除額

相続税 税率の速算表は以下の通りです。なお正しい計算が必要なため、遺産金額そのものに乗じるものではありません。

  • 1,000万円以下:税率10%/控除額なし
  • 3,000万円以下:税率15%/控除額50万円
  • 5,000万円以下:税率20%/控除額200万円
  • 1億円以下:税率30%/控除額700万円
  • 2億円以下:税率40%/控除額1,700万円
  • 3億円以下:税率45%/控除額2,700万円
  • 6億円以下:税率50%/控除額4,200万円
  • 6億円超:税率55%/控除額7,200万円

相続税がない富裕層に人気の移住先5選

お金持ちの人々はどういった国に移住を検討したり、実際に移住を行っているのでしょうか。ここからは、相続税がない人気の移住先5選をご紹介します。

①オーストラリア

オーストラリアは世界の富裕層たちに最も選ばれている移住先です。調査会社「New World Wealth」による2019年の統計では、富裕層の移住者が12,000人で3%増加しており、5年連続1位を記録するほどの人気となっています。オーストラリアは税金が高いという声もありますが、世界2位の重税国と言われる日本ほどではなく、むしろ世界的な治安の良さや整った教育制度などから魅力的な移住先として支持されています。

②シンガポール

東京23区と同じくらいの面積を持つシンガポールは、東南アジア南部にある人気の移住先です。相続税がかからないのはもちろんのこと、治安も非常に良いため安心して生活することができるのも魅力となっています。また税金そのものが全体的に安いため節税対策としても最適となっていますが、物価は日本と同程度か若干安い程度で大きな差はありません。そのため、生活費をぐっと抑えられるわけではないため注意しましょう。

③マレーシア

東南アジアの中心に位置し、イギリス連邦加盟国であるマレーシアも人気が高い移住先です。こちらもシンガポールと同様に相続税がかからず、税金も比較的安いため節税対策として非常に適していると言えるでしょう。また物価に関してもアルコール以外の物であれば日本の半分程度といった安さも魅力でしょう。しかし、サバ州東海岸では海賊事件や誘拐事件などが多発しており、治安はアジアの中でも安全な方とされているものの注意が必要でしょう。そのため、マレーシアは安全面で移住先の選択肢から外れてしまう人も一定数いるようです。

④香港

世界都市の一つである香港は、中国南部にある人気の移住先となっています。物価は日本の7割程度で韓国と同じくらい、治安も良好でグルメや夜景も素晴らしく移住先として非常に魅力的です。また相続税のほかに贈与税や譲渡益課税も発生しないことから、節税にも適しています。そのため、近年は香港に住む超富裕層が多くなっており、ニューヨークを追い抜く勢いとまで言われています。

⑤カナダ

雄大な自然が魅力の北米カナダも人気の移住先です。国際色豊かな文化が魅力的でアメリカよりも治安が良いことから、特に中国富裕層の移住先として高い支持を得ています。しかしカナダには相続税がない代わりに、相続した不動産や株式に購入時から値上がり益がある場合は50%の所得税が課せられます。そのため、100%遺産を相続できるわけではないことに注意が必要です。

おわりに

2018年に起きた紀州のドン・ファン事件では、妻のすどうさき遺産相続額が13億円で注目を集めましたが、もし取得した場合は相続税も相当な金額になるでしょう。やはり富裕層が相続税のない国へ移住するのは必然なのかもしれません。